第8回 理学療法士の業務 – 穴田夏希 – 森ノ宮校友会連載ブログ② 

◆ ブログ

平成30年9月14日 
第8回 理学療法士の業務 – 穴田夏希 – 森ノ宮校友会連載ブログ② 

〜内部障害で繋がる理学療法と鍼灸〜

少し前の話になりますが、神戸大学大学院保健学研究科において「超高齢社会における内部障害を有した要介護者に対するコメディカル専門人材養成プログラム開発」を約半年間受講していました。

副題は、〜在宅を支えるセラピストになるために〜 ということでしたが、老年学や在宅医療福祉学から統計学など多岐に渡るプログラムを提供いただきました。なかでも「内部障害」に関しては、専門の医師や理学療法士の講義を拝聴することができ、さらに見識を深められたと思います。

リハビリテーションと聞いてまずイメージするのは、脳卒中後のリハビリや骨折などの整形疾患に対するリハビリではないでしょうか。確かに理学療法士は前述した脳血管、運動器に対して介入する機会が多いと思いますが、最近では心大血管リハビリテーションや呼吸器リハビリテーションなども隆盛となっています。腎臓リハビリテーションという概念も提唱されているほどです。また、超高齢社会を迎える今、運動器の障害が主体であっても、「内部障害」を重複していると考え介入することが当たり前になってきています。

それでは内部障害とは何か?

内部障害とは世界保健機構により提唱された国際障害分類試案の機能障害の一つに属し、心臓、呼吸、腎尿路、消化など内部機能障害の総称と定義されています。本邦の身体障害福祉法では現在のところ心臓機能障害、腎機能障害、呼吸機能障害、膀胱・直腸障害、小腸機能障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害の6つを内部障害(内部機能障害)と規定しています。

要するに内部障害とは主に内臓の機能障害を指しているわけですが、心不全や糖尿病、腎不全、COPD、などをイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。この内部障害の理解を進めていくと、それぞれの臓器が密に関連(臓器連関)していることがわかってきます。例えば心腎連関という言葉聞いたことがあるでしょうか。昨今、蛋白尿が心血管イベントの独立した危険因子であることや、GFR(糸球体濾過量)が心不全の強力な予後規定因子であることが報告されているなど、今や心臓は「ポンプ機能」というだけの器官ではないということが分かっており、理学療法士もこういった臓器のつながりを意識しながら運動介入を実施する時代になっています。

内部障害や臓器連関の理解が進むに連れて、ふと鍼灸の学生時代に習った五臓六腑の相関を思い出しました。中医学に詳しい先生は何を今更…と思われるでしょうが、鍼灸大学を卒業後、柔整や理学療法の道に進んだ私にとって五行論云々は忘却の彼方。

きっと古来より優秀な鍼灸師はこの臓器連関のようなことを意識しながら施述を行っており、今になってその領域に医学や科学が追いついただけなのでしょうか。せっかく鍼灸師でもあるので、中医学などの知識が理学療法に活かせないか少しずつ調べてみたいと思います。

【理学療法士/柔道整復師/鍼灸師 穴田夏希(柔道整復学科7期)】

続く。

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